表題番号:2013A-6261
日付:2014/03/29
研究課題モーションキャプチャーによる建材の検査結果の3次元CADへの記録手法に関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 | 助手 | 石田 航星 |
- 研究成果概要
- 作業者の姿勢や移動をモーションキャプチャーにより3次元的に計測できるKinectセンサーを用いて、建築工事における作業者の姿勢と移動経路の記録と分析を行う研究を実施した。KinectはRGBによる動画と計測対象の3次元形状を示す点群データと作業者の作業姿勢を示す骨格情報を取得できる。Kinectセンサーによる計測では動画として撮影できる範囲においてしか計測を行えないが、本研究では点群データにより示す球ターゲットの位置を取得し、複数台のKinectセンサーにより取得した骨格情報を同一の座標系に統合する手法を考案した。
また、複数台のKinectにより取得した作業者の移動経路や姿勢を記録した骨格情報には多くのノイズが含まれるため、ノイズを除去する手法を考案した。Kinectは、骨格情報として、頭や腰、膝、つま先、肩、肘、手先などの位置の3次元座標を最大で毎秒30回程度取得できる。複数個所から取得した骨格情報を同一の座標系に変換したのち、各骨格情報の計測時刻に基づいて骨格情報を並べなおす。続いて、各計測データには数cmの誤差を含むため、移動平均法により前0.5秒分と後0.5秒分の計測データを平均することで骨格情報の移動データを円滑化した上で、前後に取得した骨格情報の位置と大幅にずれているデータを除外し、ノイズの可能性の高い骨格情報を除去した。
作業者の骨格情報の円滑化を実施した後、作業者の移動と姿勢に基づく作業分析を行う。
現場作業者の作業は、「取付」、「加工」、「運搬」、「計測(検査)」などに分類でき、建築工事における多くの作業はこれらの行為の繰り返しにより行われる。作業者の作業状態を骨格情報により認識するために、まずは移動速度により判断し、2次的な基準として作業者の位置に基づいて求めた。
この手法を検査員にも適用し、作業員の位置と移動速度、姿勢により、検査を実施している状態か、移動中かを認識する手法について研究を実施した。