表題番号:2013A-035
日付:2014/04/08
研究課題地震の静穏化と群発性(クラスター化)に関する統計則のデータ解析と予測理論の構築
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 | 教授 | 相澤 洋二 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 助手 | 津川 暁 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 助手 | 中川 正基 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 助手 | 白石 允梓 |
(連携研究者) | 先進理工学研究科 | 修士課程学生 | 田中 宏樹 |
(連携研究者) | 先進理工学研究科 | 修士課程学生 | 高橋 野以 |
- 研究成果概要
- 地震現象における経験法則の代表的なものとして、余震頻度に関する大森則、マグニチュードに関するGR則、発生間隔に関するWeibull則が知られているが、本研究ではこれら3つの経験法則に普遍的関係(マルチフラクタル関係)が成立することを理論的に予測した結果(Aizawa, Busseikenkyu 2011)を基礎に、1)マルチフラクタル関係の継続的確認作業、2)3.11東日本大地震データの解析、3)南海トラフ域での地震データ解析、という作業計画によって研究を進めてきた。一つ目に関する成果としては、日本の14地域、台湾、カリフォルニアの定常的地震データに関して、マルチフラクタル関係が普遍的に成立していることも確かめられてきている(Aizawa, Hasumi and Tsugawa, NPCS 2013)。また、日本の14地域での地震データにおいて主に発生間隔分布を中心に経験法則を整理されており、その統計的な解析結果は書籍「Earthquakes」に紹介されている(Hasumi, Chen, Akimoto and Aizawa, Nova Science publishers 2013)。二つ目に関する成果は、これらの結果を背景に、3.11地震データに対して推移データ解析法という新しい方法を用いることによって、巨大地震後の非定常な地震データについてもマルチフラクタル関係が成立していることを確かめたことである(NPCS2013)。この解析によってもとまる普遍定数は巨大地震前の静穏化指数とみなせることを我々は予想しており、3.11巨大地震前後の静穏化指数が決定されている(NPCS 2013)。また、この結果は昨年までの解析結果で予想されていた拡張大森法則の成立を支持する結果であり、従来の経験法則をより詳細に説明する解析方法として外挿GR公式や埋め込み方程式を提案している(Aizawa and Tsugawa, NATO proceedings 2014)。3つ目に関しては1)、2)の研究成果を元に現在データの精査をしている段階であり、南海トラフ域の地震データ解析へ進むうえで確実に準備が進められている。