表題番号:2013A-002 日付:2014/04/11
研究課題選好関係に基づくゲーム理論的意思決定の視線測定器実験
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 教授 船木 由喜彦
(連携研究者) 政治経済学術院 准教授 Robert Veszteg
研究成果概要
 視線測定器は、実験参加者の目の動きを実験中に記録することができる最新の機械で、実験中の実験参加者の情報取得行動を確実に記録することができる。個人の視線の滞留時間や注視回数を比較することにより、意思決定に用いられた情報の重要性を分析することが可能である。確かに、心理学やマーケティングにおける先行研究で、注視回数と個人の選好関係の相関性が分析されている。
 本研究では、昨年度までの研究成果を基にし、また、蓄積された視線測定器による手法を用いて、本研究テーマに即した実験を行った。なお、視線測定器の研究の継続により、分析の方法の知識が毎年、集積されてきている。
 本研究では、7月と12月に視線測定器による実験を行い、合計150名以上のデータを集めた。視線測定器は高価な機器で、新型の機器は2台しかなく、2台のマシンを並行して、実験を行なわなければならない。すなわち、1回当たりの実験ではデータを2つしか集めることができない。また、1回当たりの実験に必要な時間は5分~15分と短い。そこで、複数の実験を組み合わせて実験を行う必要がある。したがって、昨年度の研究同様、本研究の実験実施についても、多くの研究協力者の下、政治的選択の実験やリスクに対する態度の実験、ゲーム的意思決定と情報の関係の研究などと組み合わせて行われた。
 昨年度の実験同様、視線測定器によるデータの量は膨大であり、厳密な統計的分析を行うために、データを整理することにも大変に時間がかかる。さらに統計的分析方法に対する工夫も必要である。本年度は多くのサンプルを集めることができたが、いまだに統計分析手法は確立されておらず、分析には時間がかかる。厳密な分析は時間がかかるとしても、どのような順番で、利得行列のセルを見ているかを知ることはできるので、他人の利得を見るものと見ないものに被験者を分類することができた。それらの分類による、講堂への影響はいまだ統計分析中である。
 このように、今回の研究では、その成果はパイロット的、限定的であるが、このような先端的な研究を継続し、成果を蓄積していくことが、さらなる研究発展のためには重要であると考えている。、


視線測定器に関しては下記の日程で実験を行った。
1)2013年7月22日―26日
2)2013年12月4日5日7日、11日12日

一方、視線測定器を用いない実験として以下のゲーム実験を行った。
2013年5月15日、16日