表題番号:2012B-287 日付:2013/04/13
研究課題次期学習指導要領における情報科でのEラーニング用電子教材の開発と教員養成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 橘 孝博
研究成果概要
2013年度から全国の高等学校で新学習指導要領が施行され、情報科の科目はこれまでの3科目「情報A」、「情報B」、「情報C」から「社会と情報」および「情報の科学」2科目となった。学習内容は、「情報A+情報C」が「社会と情報」へ、「情報A+情報B」が「情報の科学」へと、それぞれ有機的に融合するというイメージで簡単に表現されることが多い。いくつかの事前アンケート調査によると、「社会と情報」の方を生徒に履修させる学校が多いことが分かった。これは、「情報の科学」で扱われるプログラミング言語の習得やモデル化とシミュレーションなど、理系的な学習内容を避ける傾向の現れであるとみられている。また、高度情報通信社会の進展とともに、形態端末ツールが進化し、iPad、iPod、iPhoneなどの移動携帯端末が、デジタルネイティブの間で活用されている。このような状況を踏まえて、本研究では新学習指導要領での情報科を見据えながら、そこで使える電子教材の研究と開発を目標にした。しかしながら本特定課題の申請者が、年度途中に教務スタッフに就任したため、2012年度は開発の段階まで着手できず、調査および研究の段階となった。
まず、情報科の授業で活用できる電子教材およびそれを搭載したE-ラーニングについて研究した。大学ではなく高等学校でのE-ラーニング教材や電子教材を扱うことを考慮しながら、本研究の申請者が所属する高等学院の情報科で、これまで活用しているインターネット上に置いた実技試験用のE-ラーニング教材をいくぶん改良し、早稲田大学CourseN@viシステムと併用しながら活用し効果を調べた。
また、健常者だけでなく、障害を持つ生徒が情報科での学習を進めるときの援助となるような、E-ラーニングも模索した。視覚障害や聴覚障害を持つ生徒や学生がキーボード操作をするときのサポートにおいては、専用の入力機器の開発や人的支援がある程度進んでいる。しかしながら、肢体障害者の場合、障害の部位や程度に個人差が大きく、一般化が難しいために視聴覚障害より進んでいないように見受けられる。本研究では、障害を持つ生徒が入力しやすいキーボードの研究と、それを使ったE-ラーニングについても一定の研究を行った。