表題番号:2012B-215 日付:2013/04/05
研究課題利用者と情報環境の統合モデリングによる適用型学習支援メカニズムの研究開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 教授 金 群
研究成果概要
 本研究では、「ユーザ中心」の理念に基づき、クラウド環境における利用者の情報アクセス行動や学習活動を解析し、利用者と情報環境の状況やコンテキストを考慮した統合モデリング手法を提案し、基盤モデルを構築するとともに、利用者のニーズに適合した利用者主導の適応型学習支援メカニズムおよび関連のアルゴリズムを研究開発する。本年度では、
・クラウド環境における利用者の情報アクセス行動や学習活動を解析し、利用者と情報環境の状況やコンテキストを考慮した統合モデリングを実現するための統合情報環境のフレームワークを提案し、それに基づき、利用者の利便性とシステムの柔軟性を両立させるスケーラブルなサービス指向でありながら、ユーザモデルに基づく個人に適応する学習統合支援環境の基盤モデルを構築している。
・利用者の情報アクセス行動または学習活動からユーザコンテキストをキャプチャーし、ユーザモデルを動的に作成する手法を提案している。
・これまで提案している利用者とシステムのインタラクションに基づく逐次適応モデルと、新たに開発した挙動解析に基づく最適化プロセス推薦モデルを統合し、それに基づく目的駆動型学習プロセスナビゲーションシステムを構築している。
・利用者の個性を重視しながら利用者間の共通性をも考慮し、利用者の興味とニーズや情報アクセスの変化などを適時に検知するアルゴリズムや、利用者の情報アクセス挙動をパターン化し、挙動パターンの類似度によって過去の成功した学習プロセスを抽出するアルゴリズムを考案し、目標学習者にとって最適化された学習プロセスを推薦する仕組みを開発し、適応型個人化学習サービスとして提供するプロトタイプシステムを構築し、実験的な評価を行っている。
・TwitterやFacebookといったソーシャルメディアにおける大量に生成された非構造化ストリームデータ(ソーシャルストリーム)を有機的・効果的な利用が可能な知識情報コンテンツとして組織化するためのアルゴリズムを開発し、プロトタイプシステムを構築し、実験的な評価を行っている。
・関連の研究成果をまとめた研究論文を発表している。