表題番号:2012B-036 日付:2013/04/11
研究課題学知と社会の関係に関する理論的・実証的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 那須 壽
(連携研究者) 文学学術院 教授 草柳 千早
研究成果概要
(0) 学知と日常知の在り方が変わりつつあるという問題関心(仮説)のもと、本研究では、社会学知の「生成」と「伝達」という二つの側面に着目し、それらの時系列的な変遷の在り方を検討するための基盤づくりと、それに基づく次年度以降の研究への展開を模索することに集中した。

(1) そのために、研究代表者、連携研究者、協力者それぞれが自らの問題関心に基づいて先行研究にあたる一方で、3度の会合をもち、お互いの研究の進捗状況を相互に確認すると同時に、それぞれの研究成果を共有しながら、次年度以降の研究のトピックについて議論した。会合は以下の通り。

第一回:8月10日
①データ・ベース化する学術雑誌を選定し、収録すべき情報、期間など、データ・ベース化作業の方針とその具体的な進め方について議論し決定した。
②先行研究調査の方針が議論され、各自の作業分担を確認した。

第二回:11月1日
①データ・ベース化作業の進捗状況と今後の見通しが報告され、欠落している情報を補填するための手順が話し合われた。

第三回:1月17日
 ①データ・ベースのパイロット的検討と先行研究調査に基づく研究協力者による研究報告がなされ、研究代表者、連携研究者を交えて、それらの報告からの展開可能性について議論がなされた。研究報告者と報告タイトルは以下の通り。
  鳥越信吾「論文タイトルに挙げられてきた社会学者の歴史的変遷」
  関水徹平「<家族>はいかに主題化されてきたか-文献データ・ベースを用いた知識社会学的研究」
  大黒屋貴稔「理論・学説研究の動向について」

(2) 本年度は、社会学関連の以下の学会誌5誌に掲載された論文の著者名・題目・参考文献等のコピー(約8,800枚)を収集し、データ・ベースを作成した。
・『社会学評論』(1950年度~2006年度)
・『ソシオロジ』(1952年度~2005年度)
・『社会学年誌』(1956年度~2004年度)
・『社会学研究』(1961年度~2006年度 ※1973年度~75年度は発刊されず)
・『社会学史研究』(1961年度~2006年度 ※1963年度~1980年度は発刊されず)

(3) データ・ベースのパイロット的検討から「研究領域ごとの論文数の量的動向」「特定研究領域における研究内容の質的変化」「論文題目に挙げられる学者名の変化」「参考・引用文献の各外国語文献の量的変遷」「家族社会学における家族と社会の関係の変化」等の研究トピックが見出され、今後の研究の見通しが示された。すでに収集しデータ・ベース化されている社会学関連シラバスの動向と合わせて、今後、詳細な分析を進める予定である。