表題番号:2011B-322 日付:2012/04/03
研究課題21世紀高度情報通信社会にふさわしい教職大学院での数理系教員養成カリキュラム開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 武沢 護
研究成果概要
 今回の研究では,2006年度本学での特定課題研究「高等学校数学と情報Bとの連携の視点をもった教科横断型の科目開発」を受け,教職大学院における数理・情報系の教員養成について研究を行った。2008年4月に本学は教職大学院(大学院教職研究科)を開設した。高等学校(高等学院)を本属とし教職大学院では専任教員(実務家教員)の立場で関わっている立場から,現在の教職大学院におけるカリキュラム構成の問題点を指摘し,とりわけ教職経験がなく入学した数学・理科・情報教員志望の大学院生に対する教員養成のためのカリキュラム開発や教育体制の構築を目指した。具体的には,次の手順に従って数学・理科の教科横断型の科目開発ならびに中高一貫の視点をもったカリキュラムを視野に入れた教員養成プログラムを開発・実施した。
(1)諸外国のカリキュラムの調査
 わが国の中等教育カリキュラムを検討するにあたり,イギリス,オーストラリアを訪問し,2カ国のカリキュラムや教科書について調査した。
(2)ICTを活用した教材開発ならびに教授法の研究
 コンピューターをはじめとする情報機器の普及がめざましいが,教育現場における活用の実態はまだ不十分である。ここでは,教材としてデジタルコンテンツを試作しWeb上にアップロードした。またiPadなどのモバイルツールや電子黒板等を利用した教材の開発や指導方法など、各企業などの協力を得て実証的に研究した。
(3)教科横断型や中高一貫の視点をもった教員養成プログラムの開発
 教職研究科の数学・理科・初等教育の学生に対し,前期は理科・数学の融合の視点をもった授業プログラムを実施した。また後期は,それぞれの学生が臨床実習を踏まえて必要となる教材作成に取り組んだ。

 わが国の中等教育では伝統的に教科・科目は縦割りの内容が教授されてきた。これからの教育に必要なカリキュラムでは縦割りを廃し,教科横断さらには教科再編成を視野に入れたカリキュラム開発について研究する重要性を痛感した。