表題番号:2011B-317 日付:2013/05/26
研究課題韓国の国語科教育に関する研究―論述式作文教育・教科書教材の調査―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 榎本 隆之
研究成果概要

1.2011年度の研究課題・研究方法として予定していたのは次の通りである。
まず、研究課題は5つあり、韓国における論述式作文教育、国語科教材、遂行評価、メディアリテラシー教育、国語科指導要領(第7次改定 2007)である。そして、研究方法として訪問取材(教育科学技術省、ソウル大学、ソウル教育大学ほか)を予定した。

2.研究方法の変更について。
2011年12月に韓国では新しい指導要領(教育課程)が告示された。これは、教育課程が第7次(2007)まではおよそ10年間隔で改定されてきたのに対して、第7次(2007)以降は、変化に迅速に対応するために、定期的な改定を行わず、随時改定できる態勢へと移行したことを受けたものである。2011年度に予定していた訪問取材は、当初第7次改定に関する調査を行う予定であったが、改訂版教育課程の告示が近いという情報を得たので、対象を切り替えることとし、訪問取材に関しては2011年度内の実施を見送ることとした。このため、当初予定していた出張は行わなかった。改訂版教育課程の本文は入手したが、これに関する詳しい取材については2012年度に行う予定である。


3.論述式作文教育について
「大学修学能力試験」(共通入試)の「言語領域」に関する情報収集をした。具体的には2001年度から2009年度までの試験問題を入手して、「言語領域」に含まれる論述問題の傾向について分析した。

4.国語科教材
教科書のデジタル化が進行しており、国定・検定教科書に対応するCD教材が増えている。2010年度に引き続き、出版社(ジハン社・チュンジェ社)の新教材(小中学校の新教科書ならびにCD教材)を購入した。

5.指導要領
2011年12月に告示された改定版教育課程の本文を入手した。第7次改定(2007)と比較して、基本的に変化の無かった部分は国語科の教科構造である。一方、大きく変化した部分は高1国語科である。従来の高1国語科は「国民共通基本教育課程」の最終学年(第10年次)という位置づけであったが、今回の改定により内容の拡充が図られている。これの分析については2012年度に取材を予定している。