表題番号:2011B-014 日付:2012/04/18
研究課題コンピュータの活用による英語学習者に対する自律的動機付けの向上に関する縦断的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 教授 G・R Stockwell
研究成果概要
日本の大学生は英語を必要と感じるが、勉強に対する熱意を保つのは困難だと思われる。コンピュータを利用すると一時的な動機付けに繋がっている研究は頻繁にされているが、長期的になると、その熱意は衰えてしまう。学習者が各自で見られる学習者プロフィールを作成すると、より具体的な学習目標を作ることができる。この研究では、学習者プロフィールが長期的な自律的動機付けと英語に関する将来の目標に影響を与えるかを調査する。この研究では、学習者プロフィールの作成によって、英語学習者の長期的な自律的動機付けを向上していくことを目的とした。コンピュータ支援語学学習(CALL)でよく見られる短期的な研究より(Hubbard, 2004参照)、1年間をかけて学習者の変化を研究していく。具体的な研究目的は次のとおりとなった。

1. 英語学習者の語彙力と文法力の実態を調べる。現段階では、多くの場合、学生の語彙数は概算されているだけであり、実際にどの単語や文法を知っているのか知らないのか調べられていないため、本研究に参加する学習者のプロフィールを作成し、具体的に調査する。
2. 学習者プロフィールを学習者に提供することによって、英語に対する態度や動機付けに影響があるかを調査する。
3. 学習者プロフィールを学習者に提供することによって、TOEICで測定できる英語能力に変化があるかどうかを調査する。学習者を、プロフィールを見ることのできる実験群と、従来のようにプロフィールを見ることができない対照群に分けて調査する。
4. 学習者プロフィールを見ることによって、より自律的になるかどうかを調査する。
学習者に、セルフ・スタディについての指導をコンピュータによって与えると、自律動機付けに繋がるかどうかを調査した。今回は準備する機関が短かったため、下準備をした上で、試用のシステムの開発を始めることができ、プロフィール作成に成功できた。予算・時間の制限で、予定していたTOEICでの測定ができなかったが、その代わりに、独自の評価方法やアンケートで語学・動機付けのレベルが上がったことが確認できた。本研究を基に、動機づけとテクノロジーの関連性についての分担執筆ができて、2012年10月ごろ英国のPalgrave McMillan出版社により出版される予定である。