表題番号:2010B-363 日付:2011/05/24
研究課題イタリア地場産業地域に関する統計データの整備と地図化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 本木 弘悌
研究成果概要
イタリアの地場産業地域の実証研究を行う際に、地域的な統計データの活用は当然であるが、イタリアでは日本の工業統計のような産業データは精密に整備されていない。それは基準となる統計調査が10年に1回しか行われておらず、データの更新頻度が先進諸国の中でも少ないことが最大の理由である。一方、統計は細かく地域区分をしてデータが公開されているので、地域的な動向が読みとりやすい。イタリアでは産業に対して行政単位での支援は一般的でないため、産地は行政単位の地名を冠していても行政単位の地名と空間範囲は一致せず、それよりも広範囲に産地が構成されている。このことによりイタリアの製造業産地の特定は曖昧のものとなり、各々のイタリア企業の姿は日本ではいくらか伝えられているが、それらの地域的な基盤については詳細に報告されていないのが実態である。
そこで本研究ではイタリアの工業地域データを産地単位で整備し、今後の研究基盤を築くことを目的とした。具体的にはイタリア国立統計研究所 (Istituto Nazionale di Statistica)において製造業に関する詳細な統計データを入手し、地場産業の産地ごとに再集計し統計データを整理した。さらにそれを地図化して「イタリア産地地図」作成し、イタリア研究者に広く提供することを試みたい。本年度は産業地域が集中するイタリア北部の各州のうち、主にLonbardia州の産地統計の整理を行った。