表題番号:2010B-333 日付:2011/04/11
研究課題タイ・インドシナ諸国間の国境政治の多面的体系的解明:一次資料の相互比較を通じて
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 教授 村嶋 英治
研究成果概要
本特定課題研究は、2011-2014年に科研費基盤(A)の助成を受けて実施予定であるタイ・インドシナ間の国境政治に関する研究の予備的研究として実施した。
 同研究の意義は次の点にある。すなわち、今日の東南アジア大陸部の国境をめぐる状況は、経済的越境活動の活発化が見られる一方で、遺跡の帰属に関してタイ・カンボジア間に武力衝突が生じるなど、複雑さを増している。1世紀前の国境線出現に起因して生じた諸制度、政治活動、越境移民、紛争などを「国境政治」と総称すれば、国境政治に関する研究は今日的意義が極めて大きい。
 科研費による本研究では、国境両側から、すなわちタイ、カンボジア、ラオス、ベトナムの双方向から国境政治の歴史と現状を明らかにする計画であるが、本特定課題研究では、まずタイ側の資料収集に重点を置き、19世紀末のタイの唯一の日刊新聞バンコク・タイムズ記事の収集、および同時期のタイ官報における関連資料の収集を行った。研究成果は、『アジア太平洋討究』等に発表予定である。