表題番号:2010B-311 日付:2011/04/11
研究課題クロスカントリースキー滑走動作におけるパフォーマンス分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 准教授 土屋 純
研究成果概要
本研究課題について以下の3つの研究を行った。
1.クロスカントリースキーのスタート局面におけるクラシカル走法の技術の特徴
 【概要】クロスカントリースキー・クラシカル走法におけるスタート局面の技術の特徴を明らかにすることを目的とした。5名の被験者に50mのダイアゴナル走法、ダブルポーリング走法を行わせ、滑走中の速度、ストライド、ピッチを計測した。その結果、ダイアゴナル走法がスタート直後の加速に優れており、ダブルポーリング走法が加速に劣るが,最大速度が高い走法であることが明らかとなった。
2.クロスカントリースキーのV2スケーティング滑走中の力と速度の関係
 【概要】クロスカントリースキーのV2スケーティング滑走中の力と速度の関係を明らかにすることを目的とした。被験者6名のポールとスキーに力センサを装着し、3種類の速度(3.5m/s, 5m/s, 最大努力)によるV2スケーティング中のポールおよびスキーの力を計測した。その結果,滑走速度の増加に伴い,滑走中のピッチが増加し,ポールおよびスキーのピーク力が増加することが示された。
3. クロスカントリースキー・スプリント種目の疲労の影響によるバイオメカニクス的変化
 【概要】クロスカントリースキーにおけるダブルポーリング動作中の疲労による滑走動作の変化を明らかにすることで、スプリント種目におけるパフォーマンス向上の示唆を得ることを目的とした.6名の被験者に、3分間の最大努力による平地のダブルポーリング動作を行わせ、30m地点と670m地点の動作解析およびポーリング力の測定を行った。その結果,670m地点では滑走速度の減少が認められた。また疲労の影響によってピッチが減少し、下肢の動作域が少なくなり、ポーリング力が減少した。これらのことから、下肢を大きく素早く動かしてポーリングをしやすい姿勢を維持することによって、滑走速度を維持させることが重要であることが示唆された。