表題番号:2010B-302 日付:2011/02/27
研究課題競技パフォーマンスを向上させる生体リズム調節に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 教授 内田 直
研究成果概要
【背景】
 これまでの研究で、スポーツを行うパフォーマンスは24時間のサーカディアンリズムを持っていると考えられている。このリズムは、パフォーマンスは午前11時ころから午後11時ころの時間帯で、比較的良く、主にには早朝を含む午前の時間帯ではパフォーマンスが悪い。しかしながら、午前の時間帯に行われる試合は多い。また、国際試合などでは時差障害により、体内時計では午前中である時間帯に試合が行われることもある。これらを改善するために、体内時計を操作する「生体リズムコンディショニング」の研究に我々の研究室では取り組んでいる。本研究では、科研費などのより長期の予算につなげるため、2010年度は予備実験を行った。

【本年度の研究活動】
本年度は、生体リズムに対して大きな効果を持っていると知られている、高照度光(5000ルックス以上の光)とメラトニンの服用を用いて、生体リズムを前進させ、光環境を統制しない通常の生活環境下でどこまでリズム位相を変化させられるかの予備実験を行った。生体リズムの指標として直腸温の連続測定を行った。

【結果】
その結果、光とメラトニンを用いた生体リズムの制御をスケジュール通りに行えば、通常の生活環境下においても、6時間程度の位相のシフトが出来ることがわかった。

【今後の方向性】
6時間のシフトを行えば、朝8時のコンディションは、午後2時とほぼ同等となり、早朝の試合においても良いコンディションでパフォーマンスを行うことが出来ることが予想される。今後、パフォーマンスの変化を含めた研究につなげていきたい。