表題番号:2010B-275 日付:2011/04/11
研究課題制約理論による職業的自己概念の変容をもたらす幼稚園スクールリーダーのスキル開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 教授 浅田 匡
研究成果概要
 規模が小さく、研修が困難だと言われている幼稚園において、幼稚園教師の職業的自己概念に変容をもたらすような研修を行うことを支援することができる道具の開発を目的として、幼稚園スクールリーダーとして、兵庫県内公立幼稚園園長および主任(市町村によっては教頭)各3名を対象に、インタビュー調査を行った。調査内容は、主任クラスは保育において必ず行わなければならないこと(保育の設計・実施・評価における保育スキル)、園長には園において教師の成長発達を促すために行うべき園経営の具体的な方策・園長としての行動についてのインタビューである。これらのインタビュー調査に基づき、保育を行う上で幼稚園教師として重要なスキルを明らかにした。例えば、幼児理解は一般に重要だと言われているが、具体的に「教師が意識して行ったこと(保育活動)について子どもはどのように反応し、その活動から子どもに何が育ったのかを見つける」というようにチェックできる項目として作成した。また、評価に関しては、「保育記録は、子どもの行動、言葉、仕草、表情、できれば視線を記録する」という項目である。これらの項目によって、幼稚園教師として行うべき行動項目暫定版を作成した。
 同様に、園長に対して行ったインタビューに基づき、園長として行うべき行動項目暫定版を作成した。これら暫定版が研修を支援する道具の1つである。ただ本年度は、行動項目暫定版の作成にとどまったが、今後、これらの幼稚園教師としての行動項目および園長としての行動項目について、重要度と実行度(実際に行っているかどうか)を調査し、重要度は高いが実行できていない項目を明らかにし、実行できない理由を探る予定である。さらに、実行できない理由を分析することにより、保育の改善と幼稚園における教師の成長を制約する要因を明らかにすることにより、幼稚園リーダーとして求められるスキルを探る。