表題番号:2010B-267 日付:2011/04/12
研究課題文脈形成支援システムを活用したグローバルまちづくりの体験型教育・研究手法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 教授 早田 宰
(連携研究者) 社会科学総合学術院 教授 土方 正夫
(連携研究者) 社会科学総合学術院 教授 卯月 盛夫
(連携研究者) 社会科学総合学術院 教授 佐藤 洋一
研究成果概要
 埼玉県川口市に都市再生地区を調査研究拠点とし、都市再生のデータを収集した。川口市は、鋳物工場等製造業のまちから外国人の多いグローバルな産業文化都市に転換しつつある。文脈形成支援システム(地域拠点、webシステム、公共議論空間、解釈のファシリテート、以上の連携によるシステム化)を活用し、ローカルレベルにおける多様なまちづくりのコンテクスト(文脈)を抽出する社会実験をおこなった。
 研究の準備として、地域社会においてアンケート、ヒアリング、資料収集をおこない、その結果、5つのまちづくりの流れ (市街地整備、安心安全、産業創出、商業活性化、創造都市) を整理した。次に、文脈形成支援システムを活用して議論し、それらの相互関係について、早田は都市再生の観点から、土方は情報科学の観点から、卯月は、都市デザインの観点から、佐藤は空間映像の観点から議論し、まちづくりの流れについて解釈を加え、過去から現在のスナップショット図とコンテクスト(文脈)を作成した。さらに、地域住民等がまちづくりを討議する場にその図を提供して有効性を検証した。関連する成果として以上についての小冊子を作成・配布した。
 その結果、多様なコンテクスト(文脈)を地域住民、政策担当者等が理解、共有する上で効果があった。地域では因果関係等についての理解が深まった。今後のまちづくりについて多様なスタークホルダーが個々の立場を踏まえつつ新しい議論をおこなう素地ができた。今後の活動の促進に効果があった。それを踏まえてグローバルまちづくりの体験型教育をおこなった。地域の個性、文化等について、川口市と北京とのネットでの意見交換の社会実験を実施した。
これらから、まちづくりによって、変わりゆく地域の個性、スタークホルダー、めざすべき将来像等について文脈形成支援システムを活用することで明確化できること、今後のまちづくりの取り組み、合意形成に寄与することを明らかにした。