表題番号:2010B-260 日付:2011/03/01
研究課題超高精細動画像向け画像圧縮LSI構成法の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 准教授 池永 剛
研究成果概要
 本研究では、次世代の高臨場感動画像通信・放送サービス実現のコアとなる、超高精細(7680×4320画素)動画像圧縮を方式仕様、アルゴリズム、LSIアーキテクチャの3つの視点から評価・検討を行い、5~10年先のLSI製造技術(10~20nm)を想定した場合における、LSI実現可能性、最適アルゴリズム・アーキテクチャ構成を明確化する事を目的に取り組んできている。
 具体的には、動き予測処理、モード選択などH.264に用いられている技術に加えて、現在標準化がすすめられているH.265/HEVCで検討されている16×16を超える大きなブロックを用いたスーパーマクロブロック、適応型の内挿フィルター、インループフィルターなどに注力し、高精細画像を対処として、高画質かつ低演算量なアルゴリズムの検討を進めた。
 その結果、整数画素精度動き予測処理においては、アーキテクチャおよび回路レベルの最適化により、Propagate Partial SADやSADツリーの低ハードウェア化を可能な見通しを得た。本成果は、IEICEの英文誌に採択された。また、スーパーマクロブロックに関しては、コンテンツベースのモード選択手法を考案し、適応型の内装フィルターに関しては、処理の1パス化により演算量を大きく削減可能な手法を考案し、それぞれ国際会議等の成果を発信した。
 これらの成果は、適宜、関連企業との議論を行い成果の実用化を検討するとともに、H.265/HEVCなどに関しては、国際標準化への提案も模索した。