表題番号:2010B-249 日付:2011/04/08
研究課題コミュニケーション・ロボット「二宮くん」の研究開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 鎌田 清一郎
研究成果概要
2009年6月図書館、介護施設等の本の読み聞かせを代行あるいは支援してくれる、本の読み聞かせロボット(ブック・リーダ・ロボット)「二宮くん」(にのみや・くん)を試作した。「二宮くん」は、これまでにない、前に置かれた本を読みあげてくれる、親しみのある人型ロボットである。これまで「二宮くん」の展示会出展などを通して、用途が本の読み聞かせのみではなく、コミュニケーション・ロボットとしての役割を果たすともっと面白いロボットになるのではないか、という意見を多数頂いた。本研究では、このようなニーズに応えるためにコミュニケーション・ロボットとしての機能を実現することを目的とする。2010年6月にも、研究開発を行ってきた本の読み聞かせロボット「二宮くん」を展示会に出展した際に、歌を歌わせること、対話ができること、という要望が強かったが、今年度はまず、本を読むだけでなく、楽譜を読ませる機能を追加して、歌を歌わせることを試みた。画像処理により、五線譜部と歌部の区別を行い、ドレミの音符の認識を行った。その結果、音符は90%以上の精度で読みとることができた。歌詞の認識も行う必要があり、音符と連動できるようにした。次に、家庭という空間を想定した場合に、本などをベースにしたコミュニケーションを行うことを念頭に、顔認識機能の追加を行った。その結果、複数走査によるパターンコード表現に基づいた顔認識アルゴリズムを確立した。公開されているORLデータ、FERETデータなどの様々な画像データに対して顔認識のアルゴリズムを評価した結果、従来手法LBP、LDP等に対して数%の認識率向上が得られた。また、音声認識方式の開発、対話テキスト解析方式の導入を検討しているが、今後コミュニケーション・ロボットのプロトタイプシステムを構築し、人間と比較した評価を行うことによって改善を図る。