表題番号:2010B-240 日付:2011/04/05
研究課題インターネットにおけるコンテンツ許諾状態の推定・判別手法に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 亀山 渉
研究成果概要
本研究は、ディジタルコンテンツの適正な権利許諾環境を構築するための手法として、任意のWebサイト上のコンテンツを対象に、それらの違法流通の可能性を、誰でも推定・判別できる許諾検査手法、あるいは違法流通性検査手法を確立することを目的とする。インターネット等の公衆ネットワーク上では、必ずしも許諾条件が明示されているコンテンツばかりではない。ディジタルコンテンツの流通環境では、権利者が明確で権利許諾情報が付与されているコンテンツの許諾情報の開示だけでなく、権利者が不明で権利許諾に関する情報を持たないコンテンツについても、システムが許諾の有無や違法流通の可能性を推定し、利用者がそれを確認できる手段を提供することが、利用者に安心で安全なコンテンツの利活用環境の構築に繋がる。つまり、安心してコンテンツを利活用したいと考える誰もが、任意のWebサイト上で流通するコンテンツに対して汎用的に適用できる許諾状態推定・判別手法を明らかにすることが求められている。
以上から、一年間の本特定課題研究においては、この課題に取り組むための基礎的研究として、Web上のコンテンツに対し、汎用的に適用できる検査手法を明かにすることに取り組んだ。具体的には、システムの基本設計を行うとともに、許諾状態の推定・判別に用いる情報を登録管理する権利情報データベースの基本構造について検討を行った。その結果、判別に利用できる情報は多岐に渡ることから、一般的には、高次元情報における孤立値あるいは異常値の判別手法を用いる必要があることが分かった。そのため、汎用アルゴリズムとしての高次元情報における孤立値あるいは異常値の検出アルゴリズムについて検討し、一定の精度で検出できるアルゴリズムを開発した。一方、このアルゴリズムを適用するに当たり、コンテンツ情報をどのように数値化するかについては課題を残している。