表題番号:2010B-194 日付:2011/04/11
研究課題動的平衡としての海洋微生物共生系のケミカルバイオロジー
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 准教授 中尾 洋一
研究成果概要
カリキュリンを含む海綿Discodermia calyxの新たな生息地を首都圏近郊に発見することができたので生息域の違いによる含有化合物の違いを検討している。また、人工飼育中の海綿から随時共生微生物を取り出して、カリキュリンの生産微生物を含む微生物群について、抽出したゲノム遺伝子を用いてメタゲノム解析の準備を行っている。メタゲノム解析が終了次第、PKSおよびNRPS遺伝子配列をもとにカリキュリン生合成遺伝子の遺伝子配列の解析を行う。一方、新たな生合成遺伝子探索のターゲットとして、抗がん剤エクテナサイジンと同じ骨格を有するレニエラマイシンを選び、本化合物を含有する海綿の採集および人工飼育を検討した。この結果、本海綿はD.calyxと異なり、約1カ月程度しか飼育下では生存できないことが明らかとなったため、採集方法および飼育条件の検討を行っている。なお、本海綿から共生微生物を取り出し、化合物の含有量をもとにレニエラマイシン産生微生物の絞り込みを行い、得られた候補微生物に関してメタゲノム解析の準備を進めている。