表題番号:2010B-156
日付:2011/04/07
研究課題実践的インシリコ・ケミストリーの確立:量子化学計算による材料設計に向けて
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 | 教授 | 中井 浩巳 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 次席研究員 | 今村 穣 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 研究員 | 菊池 那明 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 講師(任期付) | 小林 正人 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 助手 | 赤間 知子 |
(連携研究者) | 理工学術院 | 助手 | 清野 淳司 |
- 研究成果概要
- 本研究では、大規模系に対する量子化学計算を実行するための理論・計算アルゴリズムの開発とそれらを用いた実践研究を行った。具体的には、(1) 実時間発展形式の時間依存密度汎関数理論(RT-TDDFT)の実装、(2) 構造最適化計算の高速化手法(LSMO)の開発、(3) 分散力を扱うための密度汎関数理論(LRD)の開発、(4) 開殻系に対する分割統治法(DC-UHF/UDFT)の開発である。
(1)では、RT-TDDFT法の計算プログラムを実装し、さらに短時間フーリエ変換(STFT)を適用することにより、励起状態におけるエネルギー移動を実時間で解析することに成功した。
(2)では、非経験的分子シミュレーションおよび構造最適化計算における自己無撞着場(SCF)計算の収束性を改善する方法としてLSMO法を開発した。これによりAIMD法で約50%、AIMC法で約40%、Opt計算で約20%の高速化に成功した。
(3)では、DFT法の欠点である弱い相互作用を記述できる第一原理的手法を開発し、実験で観測されるC6係数を高精度に再現することが確かめられた。
(4)では、開殻系に適用できるO(N)法としてDC-UHF/UDFT法を開発し、非局在化スピンを含む系にも適用できることを確かめた。