表題番号:2010B-148 日付:2011/05/24
研究課題MEMSセンサを応用した全く新しい超音波診断の位置決めアルゴリズム構築への挑戦
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 高西 淳夫
研究成果概要
従来の超音波診断(エコー)装置の欠点であった再現性のある測定位置決めを支援することを目的とし,
近年高精度・低コスト・小型化が進むMEMSセンサを医療機械に導入し,
エコー画像情報と位置センサ情報の両方を用いてプローブ位置を推定するアルゴリズムの開発に取り組んだ.
この手法によれば,CT3次元データなどの高コストな外部リファレンスや,
従来の高コスト・大型な磁気発生式位置センサを必要とせず,簡易なシステムの構築が期待できる.
本年度は各要素技術の開発,およびロボットをテストベンチとして使用した位置決め評価試験を行った.
【エコー画像情報からのプローブ位置の推定方法の開発】
MEMSモーションセンサ欠の点である積分誤差を超音波画像とのセンサフュージョンにより克服するためのアルゴリズムを開発した.
あらかじめ疾患部位を並行スキャンしながらエコー画像の連続フレームを録画しておき,積層して3Dボクセルデータを構築しておく.
次回診断時には,その3Dボクセルデータ内で,現在みているエコー画像をテンプレートマッチングすることにより,
目標断面からの相対位置を特定するようにする.
テンプレートマッチングは臓器のエコー画像ように体表からの押圧により変形する画像に対しては有効に働かない.
そこで本研究では縦の圧縮に対して不変なテンプレートマッチングの手法を新しく開発した.
【評価試験】
 実質臓器である肝臓を対象とし,臨床検査技師,医師らによる評価試験を行い,その有効性,有用性を確認した.
試験はテストベンチとして絶対座標を記録することができるロボットと,フリーハンドの両方を行った.
【今後の予定】
マッチングの前処理としての臓器輪郭等の特徴点抽出
MEMSモーションセンサとエコー画像による位置推定アルゴリズムの融合
処理速度向上のための並列化プログラミング