表題番号:2010B-138 日付:2011/03/20
研究課題浮遊植物を用いた新しい環境技術に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 榊原 豊
研究成果概要
これまでの研究からほとんどの水生植物は環境ホルモン(EDCs)等の微量有害物質を浄化できることを明らかにしている。本研究ではEDCsの浄化過程を解明するために、ビスフェノールA(BPA),ノニルフェノール(NP)、エストロゲン(E2)等を用い、異なる植物から抽出したペロオキシダーゼ(PO)、ラッカーゼ(LA)、グルタチオン転化酵素(GTS)、ポリフェノールオキシダーゼ(PPO)による浄化実験を行った。約8種類の植物に対する結果から、環境ホルモン除去に関わる主要な酵素はPOであり、植物内に生成される過酸化水素により、EDCs + H2O2 →生成物となり液中から除去されることがわかった。POの次に重要な酵素はPPOであった。また、植物体内の過酸化水素を用いて、生物学的フェントン反応を進行させ、ペンタクロロフェノール等の難分解性有害物質を分解できることを明らかにした。また、固液分離が容易な浮遊性植物(ウキクサ)を用い、異なる培養条件のタンパク質、グルコース等を分析した。その結果、ウキクサはたんぱく質含量が高く、飼料としての利用可能が示唆された。