表題番号:2010B-085 日付:2011/04/10
研究課題サービス・リエンジニアリングの意義とその実践方法に関する学際的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 教授 伊藤 嘉博
研究成果概要
サービスリエンジニアリングとは、自社が提供するサービスの品質を根本から見直し、顧客を感動させるサービスを最小のコストで作り込むことによって、サービス価値の劇的な向上を図るアプローチであり、本研究はこれを実現するための具体的な方法論の確立を目指した。サービス品質の改善によってどれだけの収益の向上が見込まれる予測困難だが、本研究では、現状の品質レベルで発生が見込まれる機会損失をベースにこれを見積もるモデルを提示することを主眼に研究を行ってきた。その上で、革新的なサービスコンテンツの作りこみを支援する施策のあり方を展望し、その可能性をイノベーションアクションリサーチを通じて多面的に検証していくことを目指した。
研究活動を通じて、サービスリエンジニアリングの実践モデルのフレームワークの構築はほぼ完了することができた。これは、マトリックス形式のワークシート上で、顧客が要求するサービス属性と当該属性を実現する媒体となる活動・人・設備などの諸要素(サービスコンテンツ)との対応関係の強弱にもとづいて、経営資源(コスト)を後者の媒体への効果的な配分を行うというものである。これを受けて、当該フレームワークの適用可能性を検証するためのアクションリサーチを実施する予定であったが、現時点ではリサーチの対象サイトをツーリズム産業に絞り込むことについては確定したものの、具体的なリサーチ組織の選定までには至っておらず、アクションリサーチの実施は今後の課題となっている。