表題番号:2010B-064 日付:2011/04/09
研究課題インド南東部ゴダバリ川・クリシュナ川平野における地形形成と人類の活動の環境史
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教授 久保 純子
(連携研究者) 山口大学・教育学部 教授 貞方 昇
研究成果概要
 本研究は、インド亜大陸でガンジス・インダスに次ぐ流域面積をもち、東海岸の主要稲作地帯を擁するゴダバリ川・クリシュナ川流域を対象として、平野の地形形成と人類の活動との関係を複数の視点から分析し、平野の環境史を解明することを目的とする。
 研究代表者は2010年11月よりインド、アンドラ大学に研究滞在し、アンドラ大学のナゲシュワラ ラオ教授(共同研究者)とともに2010年度はゴダバリ川下流デルタ地域の研究を開始した。
 インドではセキュリティ上の理由で地形図ならびに空中写真の利用ができないため、人工衛星によるリモートセンシングデータを利用した。現地調査ではポータブルGPSを利用し、調査箇所はアメリカのLANDSAT衛星画像やGoogle Earth上に表示させた。また、スペースシャトルによる標高データ(SRTM)をあわせて利用した。さらに、日本のALOS衛星データを入手し、ステレオ実体視による地形判読をおこなった。
 2010年12月~2011年1月にゴダバリデルタにおいて現地調査をおこなった。アンドラ大学のナゲシュワラ ラオ教授によるボーリング調査に参加し、3ヶ所で合計約80mを掘削し、試料を採取した。ボーリング試料は産総研の斎藤文紀博士とアンドラ大で記載・分析をおこなっているが、年代測定など一部を分担の予定である。
 山口大学の貞方 昇教授も現地調査に参加の予定であったが、勤務の都合で現地調査を行うことができなかった。
 このほか、ゴダバリデルタの先史遺跡に関するデータ収集(主として文献資料)、ゴダバリ・クリシュナデルタのマングローブ林の変化に関する調査もおこなった。
 2011年度には福武科学研究財団の助成が採択され、引き続き研究を継続する予定である。