表題番号:2010A-127 日付:2011/03/09
研究課題渡辺幾治郎・深谷博治旧蔵文書の近代史料学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学史資料センター 助手 真辺 将之
研究成果概要
本年度は、深谷旧蔵文書の目録化の作業を行った。作業にあたってはアルバイト2名を雇用し、目録の粗入力を依頼、それを真辺がチェック・修正・記述追加するという形で作業を進めた。
目録化にあたっては、簿冊表題だけではなく、内容に含まれる史料の細目まで採録し、書翰についてはおよその内容についても略記するようにした。しかしこの作業は一点一点を入力するこの作業には膨大な時間がかかり、総入力点数が膨大にわたることから、全体の8割程度にあたる量の作業は完了したが、残り2割については来年度以降の課題とせざるをえなかった。しかし史料の利用者の便を考えるならば、史料内容の細目まで記した目録の整備は必須であり、今後もこの方式で目録化の作業を進めていきたいと考えている。また目録化作業完遂後は、現在割り振られている文書番号は便宜的なものであるため、内容を勘案して史料配列の再構成を行い、文書番号の再振り分けを行いたいと考えているが、そのための青写真もこれまでの目録化作業によって描くことができている。
なお、当初深谷文書のみならず、渡辺文書の目録化をも行う予定であったが、深谷文書の作業のみで手いっぱいの状況であり、渡辺文書の目録作成についても今後の作業とせざるをえなかった。
また上記の作業と並行して、これら史料が収集される契機となった各編纂事業、具体的には、臨時帝室編修局における『明治天皇紀』編集事業、春畝公追頌会における『伊藤博文伝』編集事業、憲政史編纂会による憲政史編纂事業、貴族院五十年史編纂掛による貴族院五十年史編纂事業、早稲田大学大隈記念室における大隈重信関係文書の整理・調査事業のどのような特質が見えてくるのか、また逆に、それら事業の特色が、本史料群の史料状況にどのように反映しているのかという相互関係を明らかにすべく、検討作業を行った。これについても、目録化の作業が途上にあることから、完遂にはいたっていない。次年度以降、目録化の作業とあわせて検討をすすめ、論文化させたいと考えている。