表題番号:2010A-095 日付:2013/03/04
研究課題子どもの身体活動を推進する効果的な支援方法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 准教授 岡 浩一朗
(連携研究者) スポーツ科学学術院 次席研究員・研究院助教 柴田 愛
(連携研究者) スポーツ科学学術院 助手 石井 香織
研究成果概要
本年度は、我が国の子どもの身体活動を推進させるための効果的・効率的な支援方法を検討するために、学校の休み時間における児童の身体活動に着目した研究を実施した。具体的には、小学生の休み時間に実施している身体活動を測定機器により客観的に評価し、その活動強度に関する男女差および学年差を明らかにすることにより、介入ターゲットを決定することを目的とした。本研究の対象者は、埼玉県内の2つの小学校に在籍する小学生230名(男子55%、低学年42%)であった。身体活動の測定には、加速度センサー付歩数計(スズケン社製ライフコーダ)を用い、7日間連続装着することにより、業間(25分)と昼休み(15分)における身体活動強度(座位活動、低強度、中等度強度、高強度、中高強度)を評価した。有効データが2日以下の者は分析から除外し、各強度の身体活動における男女差および学年差について、t検定を用いて分析を行った。本研究で分析対象者となったのは、業間の身体活動については192名、昼休みに関しては195名であった。中高強度の身体活動の実施割合は、業間においては男子が17.8%、女子は9.7%、一方、昼休みに関しては男子が16.2%、女子は11.3%となり、健康への恩恵を得る水準での身体活動強度を維持している児童の割合が、比較的少ないことが明らかになった。t検定の結果、業間および昼休みにおいて、座位活動時間は女子の方が有意に長く、高強度および中高強度の身体活動時間は、男子の方が有意に長いことが分かった。また、昼休みの時間は、高強度および中高強度の身体活動時間が低学年において有意に長かった。本研究の結果から、男子および低学年の児童が、休み時間における中高強度の身体活動時間が有意に長く、諸外国における先行研究の結果と同様の傾向を示していることが明らかになった。今後は、女子および高学年の児童をターゲットにした効果的・効率的な身体活動支援が必要だと考えられる。