表題番号:2010A-050 日付:2014/03/06
研究課題粒子群モデルに基づくL3スイッチングポイントの動的自動配置に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 菅原 俊治
研究成果概要
 本研究課題では、 Bio-Inspiredアルゴリズムの一つである群知能(swarm intelligence)の手法を活用し、L3スイッチを使用しVLAN運用をしているネットワーク環境において、利用者の使用履歴に応じ自律的にL3スイッチングの配置を決め、冗長なトラフィックの削減を実現するアルゴリズムを提案する。特に利用者の組織的移動に応じて論理トポロジを適切に自動変化させ、やや長期的な変動に対する適応化をねらう。学術面では新たな群知能アルゴリズムとその可能性を見いだし、ネットワークの運用、特にトポロジやトラフィック管理を中心とする基本的なアルゴリズムの礎を築くことが目的である。
  本研究では、(1) VLANの導入によりL2 (データリンク)ネットワークの結びつきを点ではなく面としてとらえること(L2ネットワークの接続モデル)、(2) 連続問題に多く活用されているPSOのアルゴリズムを離散問題に拡張すること、(3) PSOのアルゴリズム分散化、多点で実行しそれを統合するアプローチを取った。
  具体的には、(1)については、論文[1]においてそのモデルと一学習手法を提案している。また、(2) および(3)については論文[2]および投稿中の論文(報告時点では投稿のみであるため成果発表には未記載)において、PSO (particle swarm optimization, 粒子群モデルによる最適化)により動的にルーティングポイントを配置する手法、および分散化と粒子群モデルの改良により大きなネットワークでも動作可能なスケーラビリティのある手法を提案した。