表題番号:2009B-279 日付:2012/04/11
研究課題動画像非同期コミュニケーションシステムの開発とその教育利用に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 教授 西村 昭治
研究成果概要
コミュニケーション手段は、同期・非同期という軸と、コンテンツのデータ密度(テキスト、音声、動画)によって、「同期・テキスト -> 例:チャット」、「同期・音声 -> 例:電話」、「同期・動画 -> 例:ビデオ会議システム/テレビ電話」、「非同期・テキスト -> 例:電子メール」、「非同期・音声 -> 例:留守番電話」、「非同期・動画 -> ?」のように分類されると考えられる。ストレージやネットワークのコストが下がって行く中で、今後「非同期・動画」によるコミュニケーションの比率も高まって行くものと考えられる。

本研究では、現在あまり一般的ではない、非同期・動画の特性に関して研究すべく、動画像非同期コミュニケーションシステムの開発を行った。開発に際しては開発用のプログラミング言語としてJavaを用いるとともにオープンソースソフトウェアであるOpenLaszlo(RIAヒューマンインターフェース)、Apache Derby(データベースエンジン)、Red5(Flashストリーミングサーバ)、FFMPEG(画像変換)を活用した。

本システムは録画および配信はサーバ側で行うので、利用に際してはエンドユーザではFlashが利用できるWeb BrowserとWebカメラさえあれば特別なソフトウエアをインストールする必要がない。また、OSへの依存度が大変少ないのも特徴で有る。実験的に運用した限りにおいては十分な画質でコミュニケーションを取ることができた。ゼミなど少人数のグループでディスカッションをする際には有効なコミュニケーション手段になることが確認できた。

現在のシステムではRTMP(Real Time Messaging Protocol)をストリーミングプロトコルに使用しているために、RTMPをルータなどでブロックしている環境では利用ができない。HTTPトンネリングに対応させるなどルータ越えを可能にすることが今後の課題である。