表題番号:2009B-264 日付:2010/03/08
研究課題日本の放送法成立過程における米国外交・情報・占領政策の影響
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 教授 有馬 哲夫
研究成果概要
 本研究では、前年度に受けた放送文化基金の助成研究を踏まえ、トルーマン政権下のアメリカ合衆国の外交・情報・占領政策の日本の放送法成立に対する影響をさらに明らかにしようと試みた。その結果、日本の放送法の成立は、対日占領政策のいわゆる「逆コース」と連動していることがわかった。つまり、放送法の制定は、民間航空路線開設による電波需要の増大、民間放送の承認による多局化と商業放送の育成、多局化による財閥系企業の放送機器生産の拡大など、日本の経済的自立を早めるという期待のもとに行われたのである。それはまた、できるだけ多くの電波を獲得し、できるだけ多くの航空路線を開設するというトルーマン政権の外交・情報政策と連動していた。