表題番号:2009B-260 日付:2010/02/15
研究課題周辺環境からの情報集約技術による次世代カーナビに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 小柳 惠一
研究成果概要
本研究では次世代の経路案内システムを構築するために,道路環境・周辺状況の認識のアルゴリズムを提案している.本年では、大きく分類して、以下の3項目の技術に関して検討を行い、これら技術を実用化するための検討を進めた.
(I)システム搭載車輌から得られる入力情報に基づいて,道路環境を認識する技術.具体的には道路,道路標識を主とする屋外と,公共施設を想定した障害物,周辺車輌,トイレ標識を主とした屋内の認識による環境情報と、実環境以外から取得できる入力情報(速度,傾き,地図情報)を統合化して環境を取得可能な認識モデルを提案し,これまでに提案していた認識モデルの高精度化・アルゴリズムの高速化を行った.
(II)周辺車輌や近隣のアクセスポイントと接続されたネットワークに基づいて,周辺状況を認識する技術として、車車間及びインターネットなどの通信技術を導入するための通信のためのプラットフォーム技術を明らかにした. このとき, 自車だけでなくいくつかの媒体から様々な異種情報を集約して統合的に現在の状況を把握することが可能となる。しかしながら、様々なセンサや通信媒体などを,走行中に利用するため,センサから得られる信号において空間的・時間的誤差が考えられ、今後, これら情報の不一致への対応が検討の課題といえる。
(III)(I)と(II)から得られた情報を集約し,その情報を経路案内情報として、利用者に効果的に提示する技術として、集約された多くの情報をユーザにとって瞬時の視認性が高い経路案内を検討した.しかしながら, ユーザの好みによって経路案内に対する評価指標が異なり, 一意に決定することは困難であるといえる.そこで本年度ではユーザ自身が自由に経路案内形式を変更できるような機構を提案し,できるだけ多くのユーザに対応させることを可能としている.本研究ではひとつの例として,周辺車輌の表示もしくはCG道路により隠蔽するなどの選択が可能な次世代型経路案内システムのデモンストレーションシステムを試作した。