表題番号:2009B-250 日付:2010/03/25
研究課題論理制御値を用いたVLSIの電力・遅延最適化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 木村 晋二
研究成果概要
論理制御値を用いたVLSIの電力・遅延の最適化というテーマで、VLSI ゲートレベル回路の最適化の研究を行った。まず遅延の最適化に関しては、パイプライン回路の自動生成の研究を行い、FPGA 向けのパイプライン合成手法の提案を行い、加算回路や乗算回路で2段のパイプラインで1.8倍のクロック周波数を得られるという結果を得た。アルゴリズムおよび実験結果は、情報処理学会SLDM研究会およびASP_DACの Student Forum で口頭発表を行った。つぎに、電力の最適化に関しては、論理素子の制御値でパワーを停止する細粒度のパワーゲーティング手法を提案し、制御信号の制御値確率とそれで停止できるゲート数の積を評価し、評価値の大きい順にパワーゲーティングを挿入するアルゴリズムで、平均15%程度の電力削減効果を得た。研究成果は電子情報通信学会の英文論文誌に掲載された。さらに、順序回路のレジスタのクロックを停止して動的電力を削減するクロックゲーティング手法の最適共有の研究を行い、カウンタや ISCAS 89 ベンチマーク回路に適用して効果を確認した。研究成果は、2010年5月の情報処理学会SLDM研究会で口頭発表の予定である。