表題番号:2009B-234 日付:2010/04/11
研究課題動的・静的カメラにより獲得される動画像からの動物体の挙動認識法の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 大谷 淳
研究成果概要
 本研究では、以下に示す(1)~(4)の課題についてそれぞれ検討を行った。
(1)人物全身像の姿勢推定
 動作している人物の時々刻々の姿勢を、静止カメラ画像から推定するためには、人体パーツを追跡することが有効である。ここで、パーツが別のパーツを隠すオクルージョンの対処法の確立が重要である。そこで、人体パーツごとに異なった色に着色された衣服を装着した人物を撮像した動画像中で、パーティクルフィルターを用いて人体パーツを追跡する方法を検討した。追跡対象のパーツにオクルージョンが発生したか否かを、パーティクルの挙動により区別できる見通しが得られた。
(2)未知人物の行動認識
 人物、行動、時系列データから構成されるテンソルをデータベースとして予め構築しておき、テンソル分解を利用して未知人物の行動を認識する方法の検討を進め、我々の方法が関連手法より高い認識率を与える結果が得られた。一方、本手法を利用して、視野が重ならない複数カメラの視野間を移動する人物の対応付けを行うことにより追跡を行う手法を新たに提案し、検討を開始し、有効性の見通しを得た。
(3)移動カメラ画像からの移動物体の抽出
 パンティルトカメラにより獲得される動画像からカメラの動きを推定し、その動画像中にCG画像を正確に配置できるようにする方法を検討した。特に、動画像中に動く物体を含む場合、その動物体に対応する点からカメラの動きを推定しようとすると、推定精度の低下を招くので、動画像中の動く物体から推定されたか否かを検証する方法を提案し、有効性の見通しを得た。
(4)移動カメラ画像からの人物の動き認識
 移動ロボットに搭載したカメラにより獲得される動画像から、人物の手の動作を認識する方法の検討を進めた。カメラの動きを考慮に入れて手の軌跡を推定し、これを用いて従来検討したCondensation Algorithmに加え、主成分分析を用いる方法により手話動作の認識の性能評価を行い、主成分分析の方が高い認識率を与える結果を得た。