表題番号:2009B-207 日付:2010/04/12
研究課題MRI画像によるナビゲーション機能を有するNOTES支援ロボットシステムの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 藤江 正克
(連携研究者) 理工学術院 助手 小林洋
研究成果概要
本研究課題では、次世代の内視鏡手術支援ロボットの開発を対象とし、術者の手技の負担を最大限軽減しながらも、患者の身体的負担を最小化するシステムの開発を行った。ここで次年度以降への継続的・発展的な研究開発を可能とするために、医師へのヒアリングに基づいて、研究代表者・連携研究者・研究協力者および学外の関連研究者が十分連携した研究体制を構築し、応用システム開発において必要となる次の2つの基盤技術開発について行った。

(1)手術ツール操作用マニピュレータ(体内で駆動するロボット)
次世代内視鏡手術における技術革新の核となる技術である、体内で自由自在に屈曲することの可能な手術ツール操作用マニピュレータの開発を目的に、新しい駆動伝達系の開発を実施した。新しい駆動伝達系により実現された術具マニピュレータは、従来のものと比較して非常に高精度かつ高応答性を有するものであった。さらに開発した駆動伝達系のための制御手法を開発することで、医師の操作に対するロボットの動作遅れは医師が知覚できないレベルにまで達することを確認した。

(2)体外で駆動するロボット
手術ツール操作用マニピュレータは体表に設けた小さな穴を挿入孔(トロカールポート)から挿入して行う術式であるので,挿入孔を中心に2自由度の拘束を受ける。よって体外から操作できるのは、挿入孔を中心とした回転2自由度と術具の軸まわりの回転1自由度、そして挿入深さの直動1自由度、合わせて計4自由度となる.本課題において、開発した手術ツール操作用マニピュレータに適合した上記の4自由度の位置決めを行える保持ロボットを開発した

これら2つの本研究課題で得られた基盤技術を、次年度以降の応用システム開発に還元することを計画している。さらに、本研究課題を実施する過程において、申請した科研費の研究分担者らとの協力体制を整えつつあり、この関係をもととした次年度以降の更なる規模の研究開発を予定している。