表題番号:2009B-206 日付:2011/11/02
研究課題数値誤差の柔軟利用による圧縮性乱流遷移位置の数値予測法の確立
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 内藤 健
研究成果概要
統計熱流体力学に基づいた解析や数値解析によって、乱流や生命分子の必然性についての解明を行うことができた。

(1)Reynoldsが100年以上前に、管内の乱流遷移現象を明らかにしてから、長い間、理論・数値解析でその解明が試みられてきたが、管内の遷移位置と入口乱れの関係を明らかにされてこなかった。平板の乱流遷移は理論的にもかなりのことが解明されているが、閉じられた管内については、線型安定理論でも数値解析でも、管内の遷移を予測出来てこなかった。本研究では、Boltzmann方程式からNavier-Stokes方程式を導出する際、平均操作のスケールを連続体近似よりも小さなスケールで行なって、StockasticNavier-Stokes方程式を導出し、それを数値解析することで、予測を可能にしたものである。
(2)生命の基本分子には、塩基やアミノ酸などの分子があるが、これらのサイズはある程度の範囲に限定されていることが知られている。当方の以前の研究でいくつかのサイズの必然性は明らかにしてきたが、Stochasticな方程式に修正することにより、生命分子の多様性も説明できることがわかった。
(3)気体から液体への相転移現象についても、そのメカニズムを明らかにする方程式を導出した。