表題番号:2009B-146
日付:2010/04/19
研究課題NIRSによる脳情報解読オンラインアルゴリズムの構築
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 | 教授 | 松本 隆 |
- 研究成果概要
- 【ターゲット】
4種類の匂い(ethanol, geranium, jasmine, peppermint)をかいだときの「前頭前野」の「酸化ヘモグロビン」分布をNIRSで計測した。
【実験】
被験者にゆったり座ってもらい、全体が安定したと思われる状況を確認後、まず5秒間当該の匂いをかいでもらった後、30秒のレスト期間をもうけ、その後再び5秒間の匂いかぎ、そして30秒のレスト期間の後、もう一度匂いかぎとレスト期間、という手順を踏み、次のような知見を得た:
1.どの匂いの場合も、約0.1Hzの基本振動を含んでいると思われる。
2.一方、別の実験によるEEGデータではこのような0.1Hz振動は観測されなかった。
3.Ethanolの場合、酸化ヘモグロビンは減少の傾向があり、これは神経細胞が脱分極していることを意味しているので、「沈静作用」をもつと思われる。
4.Jasmineの場合、逆に酸化ヘモグロビンは増加傾向にあり、「興奮作用」を及ぼすと思われる。図1は典型的なjasumine観測データである。
5.後の二つは今回の実験に関する限り、明快な結論には到達しなかった。
【オンラインアルゴリズム】
Bayes的枠組みからオンライン学習アルゴリズムを構築、それを「逐次モンテカルロ」で実装する方策を鋭意進めている。
図1jasmineを嗅いだときの典型的NIRS応答
赤:酸化ヘモグロビン、青:脱酸化ヘモグロビン、青:全体
匂いかぎ開始:t=100、終了:t=150