表題番号:2009B-122 日付:2010/03/29
研究課題円偏光光源のための高偏極長寿命スピン緩和量子ドットの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 竹内 淳
研究成果概要
円偏光光源のための高偏極長寿命スピン緩和量子ドットの研究においては、科研費申請では、量子ドットのスピン緩和研究における未踏領域である波長400-700 nmのフェムト秒光源を導入する予定であった。特定課題研究においては、金額的制約からこの装置の導入は見送り、代替手段によるこの波長域のスピン緩和研究の遂行を図った。このために、今年度は光パラメトリック発振器による波長1.1ミクロンの光を第二高調波発生器を用いて、波長550 nmに変換する実験に注力した。その結果、波長500nm領域で1 mW程度の強度の光が得られるようになった。安定に時間分解フォトルミネッセンス測定を行うためには、この数倍の光強度を得ることが望ましいため、現在、第二高調波発生器の改良を行っている。まもなく波長500nm領域での量子ドット計測の条件がそろう予定であり、CdTe量子ドットなどの測定にとりかかる予定である。また、それ以外の波長領域で円偏光光源となりうる可能性のある材料系として、GaNナノロッド、ZnOナノ粒子、InGaAs/AlAsSb量子井戸の時間分解フォトルミネッセンス測定を行っている。このうちのいくつかについては、発光再結合時間やスピン緩和時間の測定データが得られたので学術誌に投稿中か投稿予定であり、学会発表としては、2010年の秋期の応用物理学会などで発表を行う予定である。