表題番号:2009B-108 日付:2011/05/24
研究課題全身型ヒューマノイドロボットを用いたコミュニケーションモデルの構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 教授 高西 淳夫
研究成果概要
本研究課題では,コミュニケーション,特に情緒の伝達に必要な機能の解明を目指し,感覚,認識,表現形態,表現手法,心理メカニズムなどといった多様なコミュニケーション手段を扱うことができるヒューマノイドロボットの開発を目的とする.
また,これらの各手段の効果を検証するために,人間の心理状態を計測可能な評価システムを構築することも目的とする.
2009年度は,以下の3点について研究を推進した.

(1) ヒューマノイドロボットの形態および行動に関する印象評価
既に開発している2足ヒューマノイドロボットKOBIANと互換性のある台車式の下半身を持つロボットを開発した.
これらを用いて,ロボットの形態の違いによる表現が人間に対してどのような印象を与えるか比較調査したところ,
2足ロボットはより活動的な印象を,台車ロボットはより安心・安全的な印象を与えられることがわかった.
また,2足ロボットの移動行動がその感情表現にどのような効果を与えるかを調査したところ,
その感情の強さを増加させることがわかった.

(2) 物理的インタラクションにおけるロボットハンドの形状および動作に関する印象評価
握手などの人間とのロボットのインタラクションにおいて,物理的接触が最も多く生じる部位と考える手部の形状および握力に関して,軟素材により構成されたロボットハンドの開発および心理的評価を行なった.

(3) 人間の心理状態を計測可能なシステムの開発
ジェスチャなどの人間の運動状態を計測するために,人間の各肢・体幹・頭部に取り付け可能な超小型姿勢角センサを開発した.
これと,既に開発している生理指標計測装置を組み合わせ,身体運動と生理指標に基づいて人間の心理状態を推定可能なシステムの開発は次年度以降に行う.