表題番号:2009B-066 日付:2010/04/10
研究課題機械翻訳時代における外国語教育に関する基礎的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教授 村上 公一
研究成果概要
本研究(特定課題研究)では、機械翻訳時代における外国語教育に関する基礎的研究を行い、以下の成果をあげた。
機械翻訳の時代における異言語間のコミュニケーションは、以下の4形態が並立する形をとることが予想される。
(1)機械翻訳のみによるコミュニケーション
(2)機械翻訳の不備を外国語知識で補う形でのコミュニケーション
(3)外国語能力の不備を機械翻訳で補う形でのコミュニケーション
(4)外国語能力のみによるコミュニケーション
しかし、中国語原文と機械翻訳文を提示した読解テストの結果分析から、現状の大学における中国語教育では、大学での2年程度の学習が終了した後に中国語文章を読解する機会に遭遇した時、多くが(3)(4)ではなく、(1)(2)の方法で読解することが明らかになった。
これを踏まえ、中国語学習者を大学での学習終了後も(1)(2)ではなく(3)(4)の側に留まらせるための授業方法についての検討を行った。授業において(4)を目指す学習の一環として機械翻訳を利用することが、最終的に学生を(3)のコミュニケーションに留まらせる可能性があるのではないかとの予測にもとづき、具体的な学習プログラムの試案を作成した。