表題番号:2009B-059 日付:2010/02/27
研究課題近代のイギリスにおける「エコロジー」と「感受性」の文化史的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教授 西山 清
研究成果概要
特定課題Bの補助を受けた者は、以下のとおりである。

西山 清(早稲田大学・責任者)、植月惠一郎(日本大学)、大石和欣(名古屋大学)、金津和美(同志社大学)、川津雅江(名古屋経済大学)、小口一郎(大阪大学)、直原典子(早稲田大学・非)、吉川朗子(神戸外国語大学)

今年度の各人の課題にかかわる研究成果を以下に挙げるが、これらの中には、助成費交付の時期の問題もあって、必ずしも助成費を得て生み出された直接的な成果ではないものも含まれる。

西山は、2009年6月にイギリス・ロマン派公開講座において「イギリス・ロマン派とStatuesqueness」の題目で、昨年に引き続き感受性と審美観の論点からロマン派の特質について学術講演をおこなった。植月は「森のロレンス―『チャタレー夫人の恋人』の性とエコロジー」論を、5月に出版された『実像への挑戦―英米文学研究』(欧米言語文化学会編、音羽書房鶴見書店刊)に発表した。
 大石は、4月に名古屋大学英文学会において「『空っぽの貝殻』― カントリー・ハウスと戦間期の文学」の題目でエコロジカルに論じられるようになったカントリー・ハウスと文学の関わりについての学術講演をおこなった。金津は都市と文学の関わりをまとめた論文「ジェイムズ・ホッグ―「近代のアテネ」の栄光の陰で」が、6月に出版された『文学都市エディンバラ:ゆかりの文学者』(木村正俊編、あるば書房刊)に掲載された。
 川津は9月にギリシア・ミソロンギにおいて開催された国際バイロン学会において、「バイロンとサッポー」の口頭発表をおこなった。小口は11月に関西コールリッジ研究会第144回例会において、エコロジーと対立する功利主義の問題を「ワーズワスと功利主義の詩学」の題目で口頭発表した。
 直原は2009年3月に共訳出版したJ・C・マキューシックの名著『グリーンライティング』のエコロジー論を土台として、新しい視点によるコールリッジ論を精力的に執筆中である。吉川は9月に「グラスミアの庭―共感する自然」を神戸市立外国語大学『外大論叢』第60巻第5号に発表した。
                                                      以上