表題番号:2009B-044 日付:2010/04/19
研究課題東日本先史時代における社会複雑化過程の比較研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 教授 菊池 徹夫
研究成果概要
幸いに採択していただけたので、与えられた研究費を有効に活用させていただき、研究課題に沿ってフルに調査研究を行うことができた。私にとって専任教員最後の年度であり、そのため何かと多忙で時間的制約も多かったが、夏休みを中心に北海道、東北地方を中心に東日本各地の遺跡や資料の調査にあたり、またシンポジウム、研究会などで情報・意見交換を行うことができた。特に3月11日から18日にかけて、高橋龍三郎教授とともにかねて計画していたオーストラリアの調査旅行が実現できたのは幸いであった。詳細は出張報告に記したとおりであるが、シドニーおよびキャンベラの大学、博物館等で綿密な調査を行い、またシンポジウム等で意見交換を行った。この結果、ことにオーストラリアの先住民アボリジニの文化との比較によって、研究課題である東日本先史社会の複雑化過程の解明上じつによい手がかりがいくつも得られた。なお、1月24日には、有楽町朝日ホールを会場として、世界遺産登録を目指す「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」をめぐるシンポジウムにコーディネーターとして参加したことも課題に関する活動として付記する。

研究成果発表: 
菊池徹夫編『比較考古学の新地平』(同成社 2010年2月6日 1122頁)は、これまでの私の科学研究費あるいは特定課題研究の共同研究者・研究分担者のほとんどを含む、じつに103名の執筆者による論文集であり、もとより本特定研究の成果のひとつでもある。

最後に、改めて、かかる研究成果を可能ならしめた早稲田大学に心から感謝申し上げる。