表題番号:2009B-021 日付:2010/04/11
研究課題オーストラリア先住民アボリジニの自己表象としての演劇・映画
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 教授 澤田 敬司
研究成果概要
 オーストラリア先住民の芸術的表象について、今年度も昨年度に引き続き、予備的研究を継続した。特に2010年3月に行ったオーストラリア・アデレード国際芸術祭において、アーネムランドのコミュニティから、携帯電話の流通やYou Tubeのインパクトを反映したダンスグループ、チューキー・ダンサーズによる公演を取材することが出来た。
その現代性と、伝統との融合、そして先住民文化とサブカルチャーがどのようなバランスで出会っているかなど、とても興味深い減少が展開している。チューキー・ダンサーズに関しては、2009年に公開された、オーストラリア先住民の現代文化全体を祝福するアボリジニミュージカル『ブラン・ニュー・デイ』(レイチェル・パーキンズ監督)でも出演を果たしており、とても興味深い事例となっている。早速収集した情報をもとにして、舞台、映画作品における彼らの活動についての分析を開始している。
 これらの成果は、2010年度のグローバルCOE紀要などで公表する予定である。
 また、ジミー・チャイによる原典『ブラン・ニュー・デイ』の翻訳プロジェクトも進めており、初演当時の上演情報や、再演について、また先に述べた昨年の映像化においてどのような問題点や議論が生じたかについても、翻訳の公表と同時に何らかの形で発表する予定である。あわせて、日本での上演の機会を模索していくことは言うまでもない。