表題番号:2009B-003 日付:2010/04/08
研究課題経済危機と政策レジーム
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 教授 真柄 秀子
(連携研究者) 教育・総合科学学術院 教授 井戸正伸
(連携研究者) 教育・総合科学学術院 助手 金淳和
研究成果概要
 本研究は、各国政府の政策転換と経済危機の関係に焦点を当て、A.プシェヴォスキによって提出された、「資本主義の多様性」論および「政治的党派性」論とは異なる「政策レジーム」論に着目しつつ、2008年リーマンショック後の世界各国の政治的経済的対応を、理論および実証の両面で、政治学と経済学の二つのディシプリンを交差させて比較分析する国際プロジェクトの予備的研究として位置づけられる。本プロジェクトには学外から、山田鋭夫(九州産業大学)、新川敏光(京都大学)、白鳥浩(法政大学)、原田裕治(名古屋経済大学)、藤田菜々子(名古屋市立大学)、西浩(摂南大学)らが参加し、2010年2月27日には国際文化会館において、これまでの各自の研究実績を前提とした今後の研究の可能性について理論、アプローチ、分析対象等に関する具体的な研究打合せを行った。
 また、本学連携研究者である井戸正伸と金淳和はそれぞれ、分析対象国の調査に赴いた。井戸は、2010年3月9日より17日までイタリアに出張し、ミラノ大学政治経済学部長のD.ケッキ教授よりイタリアの近年の教育改革に関する知見を得た。また欧州大学研究所(EUI)のL.ブルスト教授と面会し、政策レジーム論の最近の展開に関して意見交換を行った。一方、金は、2010年2月21日より28日までソウルに赴き、韓国国会図書館にて、金大中政権の福祉改革の諸事例を分析し韓国の福祉国家化のメカニズムを解明するための資料収集および研究を行った。
 眞柄は、プロジェクト統括の他に、自らが実施する実証研究として人的資本形成政策のクロスナショナルな予備的研究を試み、中間的成果としてまとめた論文を、高麗大学の国際会議で招聘講演として近く発表する予定である。