表題番号:2009A-868
日付:2010/04/10
研究課題ウェットプロセスを用いた超高記録密度型磁気記録媒体作製プロセスの開発
| 研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
|---|---|---|---|
| (代表者) | 理工学術院 | 助手 | 大内 隆成 |
- 研究成果概要
- テラビット/平方インチ級の面記録密度を有する次世代型磁気記録媒体として,強磁性体のナノドットアレイからなるビットパターン媒体(BPM)が提案されている.私は,これまでの成果に立脚し,電気化学反応を用いた強磁性体ナノドットアレイ形成プロセスの確立と,プロトタイプ試作・評価を行った.まず,軟磁性下地層とCu中間層を付与したガラスディスク基板に対し,高い垂直保磁力を発現するCoPt薄膜の電析条件を検討した.その結果,膜厚20 nmで垂直保磁力4.2 kOeを有するCoPt薄膜の成膜に成功した.次にこの電析条件を用いて,UVナノインプリントにより形成したパターンに対してCoPtを充填しCoPtナノドットアレイを作製した.作製した150 nm径,300 nm周期のナノドットアレイは5.0 kOe以上の保磁力を有し,また,MFM像から,ドットに対応した磁気信号が明瞭に観察された.CoPtドットの断面TEM像により,ボイドを含まず柱状成長していること,およびCu中間層表面からhcp (0002)面が配向して成長していることが確認され,これらが高い垂直保磁力に寄与したと考えられる.さらに同条件で80 nm径,160 nm周期のCoPtナノドットアレイを作製した.次に,CoNiP無電解析出条件を検討した.過去の研究で我々は,NaH2PO2を還元剤とする無電解析出法により,200 nm程度の膜厚で垂直保磁力2600 Oeを有するCoNiP薄膜を得ているが,50 nm以下の膜厚では保磁力が著しく低下していた.そこで本研究では,析出初期からの高保磁力化を目的とし,無電解析出条件および浴組成を改良した.特に配向層効果の向上のため, hcp-CoNiP (0002) 面と原子間距離が近いfcc-Cu (111) を成膜した基板を使用し,Cu表面に触媒活性を持ち高純度の析出が可能なN2H4を,NaH2PO2を還元剤とする従来浴に添加することで,触媒活性化処理を必要としないプロセス設計を試みた.その結果,膜厚25 nmという,析出初期においても3000 Oe以上の垂直保磁力を発現するCoNiP薄膜を得た.以上のように,BPM作製手法として,電気化学的プロセスの有用性が示された.