表題番号:2009A-096 日付:2010/03/06
研究課題アイマーク・レコーダーを使った日本語接触場面における参加者のインターアクション行動分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院日本語教育研究科 教授 宮崎 里司
研究成果概要
日本語教育研究センターならびに大学院日本語教育研究科では、日本語能力の向上に向けたさまざまなプログラムの開発を継続的に試行しており、遠隔日本語教育も重要な開発課題のひとつになっている。本件申請者は、遠隔教育センター管理委員および、専門部会であるCCDL部門委員会の委員に嘱任されているが、今年度の特定課題の成果として、遠隔教育型インターアクションの実用性を検証するため、早稲田エデュケーション・タイランド(WET)をはじめ、早稲田と大学間協定を締結している、台湾の淡江大学や、アメリカのGLCAグループである、Albion Collegeとの遠隔日本語教育の実験を行った。これを受け、日本語教育オンデマンド講座の展開や留学生のための渡日前準備講座、さらには、海外の日本語養成講座支援プログラムや、海外で教える日本語教師のための現職者研修プログラムの可能性を検討した。その上で、検討課題を受け、海外協定校との、テレビ会議システムによる日本語遠隔事業を推進しながら、本研究に関わる実験協力校に依頼したが、時間の制約上、十分な成果が得られなかったため、当初計画していた、遠隔会話中の参加者の視線行動が、実際の対話型会話とどのような違いがあるのかといった問題の解明には至らなかった。

この遠隔実験には、本学研究推進部に、平成18年度大型設備〔私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等研究設備等整備費)〕で、購入のための研究整備計画書を申請していた、眼球運動計測システム(アイマークレコーダ、NAC社製EMR8B)を使用し、遠隔インターアクションにおける眼球運動を精査することができた。これにより、継続的な実証研究のデザインが可能となり、条件が整ったため、今後も、応用研究の展開に向け、眼球運動測定装置を援用した実証研究を継続する予定である。