表題番号:2008B-501 日付:2009/04/01
研究課題熱可逆ハイドロゲルを用いた新規好中球機能検査法の健康診断・臨床検査への応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 准教授 鈴木 克彦
(連携研究者) 先端科学・健康医療融合研究機構 客員研究助手 椎葉 大輔
研究成果概要
 まずハイドロゲルを用いたシングルチューブによる標準型測定系について、従来は細胞数計測の部分を血球計算盤を用いて顕微鏡下に目視で行ってきたが、手作業で手間がかかる上に主観も入るため、客観的に短時間で定量的な評価を行うために自動分析装置を導入し、測定系の充実をはかり、細胞数と蛍光強度がほぼ比例関係にあることを確認した。
 次に、好中球機能がストレスの評価指標となりうるかどうかを検討した。持久性運動負荷や手術侵襲では生体負担を反映して好中球活性酸素産生能が上昇し、他の酸化ストレスの生体指標よりも鋭敏に生体反応を捉えられることが示唆された。しかし、筋損傷を起こす伸張性運動負荷では、遅発性筋肉痛をはじめとする炎症症状やクレアチンキナーゼ等の筋損傷マーカーの上昇は顕在化するにもかかわらず、好中球活性酸素産生能の上昇は認められず、エネルギー枯渇やストレスホルモンの分泌が生じるストレス状態においてのみ測定値の上昇が生じる可能性が考えられた。
 臨床検査への応用としては、重症肺炎や原因不明で難病指定となっている炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の患者での治療前後の検討を30症例ほど検討し、診断や治療モニタリングの指標としてよく炎症状態を反映する可能性が示された。さらに各種抗炎症薬や抗酸化物質を用いたin vitroの作用解析を行い、この測定系が各種薬剤や健康食品成分の評価に応用できる研究成果を示し、日本補完代替医療学会にて発表した。