表題番号:2008B-296 日付:2009/03/25
研究課題履歴データベースを用いた流量計の多重故障に対する検知・診断システムの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 准教授 立野 繁之
研究成果概要
 石油・化学プラントでの運転管理や設備管理は、プラント内の流量計から得られる測定値を基に行われる。長時間の運転中には流量計の指示値が正常値から外れてしまうことがあるため、流量計の故障を検出して測定値の修正を行うことが望まれている。しかし、流量計は運転中に取り外して検査・修理を行うことは不可能であり、一般には定期修理時にしか検査・修理できない。
 運転中に測定値がずれている流量計を見つけ出すことができれば、定期修理中にそのような流量計だけを検査してその他の無駄な検査をなくすことが可能であり、また測定値のずれの大きさを推定することができれば、定期修理を行うまでの間、測定値を補正して運転を行うことができる。
 
 本研究では、故障した流量計が複数存在するときの故障診断法の開発及び多重故障診断システムの設計を目指し、以下の研究成果を得た。

1.多重故障診断法の開発
 検出可能な故障流量計の数を最大4個と仮定し、故障流量計が複数存在している状況下でも高精度に故障流量計を検出するシステムを開発した。

2.多重故障診断システム設計問題の定式化
 診断の精度の評価基準として誤報確率および欠報確率を用い、ユーザの要求仕様(検出する故障誤差の大きさ等)を満足することができる多重故障診断システムの設計法を確立した。