表題番号:2008B-293 日付:2009/03/25
研究課題空間充填曲線による画像圧縮・検索に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学院情報生産システム研究科 教授 鎌田 清一郎
研究成果概要
本研究では、これまでに構築してきた空間重点曲線を用いた画像圧縮法に対して、計算効率のよい画像検索を行うことを目的として検索手法を開発した。これまでの画像圧縮法によって圧縮されたデータ(以下、圧縮データ)から探索対象物(例えば人物、車など)を何らかの特徴で表現できる高速画像検索の実現を目指して、空間充填曲線を用いた画像検索方式を確立している。この特徴は、圧縮データから空間情報が抽出できるので、様々な記述子を用いて表現することができる。本研究ではフーリエ記述子とPCA(Principal Component Analysis)を用いた新たな方式を提案した。画像MPEG7の形状データベースを用いて、MPEG7に採用されているCurvature Scale Space記述子、Wavelet記述子等の従来手法との類似検索などの比較を行い、その検索効率をRecall-Precision指標等により明らかにした。次に、画像上の各局所領域を予測符号化に適した画像情報のコンテキストモデル化を考察した。コントラストがありエッジが保存できれば、その画質はくっきりした明瞭性に優れたものとなる。すなわち、高コントラスト、エッジ保存型であり、平坦な部分は滑らかに変化するようなモデル化を行うことが必要となる。各局所領域に対して、予め与えられた単純予測器を適応的に選択することによって圧縮効率を上げるものである。これにより、国際標準化方式と比較した評価によって、本手法の有効性を明らかにした。画像検索手法は、蓄積した膨大な圧縮データに対して検索を行うため、特に高速化が要求される。このため、本研究では、FPGAを利用して、高速アルゴリズムを実現し、ソフトウェア性能よりどの程度高速化されるかを明らかにした。