表題番号:2008B-251 日付:2009/03/23
研究課題介護予防運動プログラムを円滑に運営・普及するためのガイドラインの作成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 教授 村岡 功
(連携研究者) スポーツ科学学術院 教授 中村 好男
(連携研究者) スポーツ科学学術院 准教授 岡 浩一朗
研究成果概要
本研究の目的は、介護予防普及プログラムへの参加を促す効果的な広報媒体について検討することであった。対象者は、介護予防の普及プログラムに参加した高齢者670名であった。プログラムは、大規模講演会(1回)と、小規模講演会(2回)および自由参加型(3回)であり、広報には、区報、町会・自治会回覧板、会場のチラシ、ポスター、民生委員の紹介、老人クラブの紹介、在宅介護支援センターの紹介、知人の紹介、その他の9つの広報媒体を使用した。広報活動は、全区域を対象とした広域広報地域と、小規模講演会および自由参加型では、徒歩圏域(半径1㎞)を重点広報地域と設定した。調査は、プログラム参加者に自記式質問票を配布し、属性(年齢、性別)と、プログラムの情報を入手した9つの広報媒体について選択形式で回答を得た。分析は、一元配置分散分析およびχ2検定により行なった。結果として、プログラム参加者が利用した広報媒体は、区報が38%と最も多く、次いで老人クラブが18%であり、全ての項目において区報の割合が高かった。また、町会・自治会回覧板や老人クラブ、知人の紹介などの地域組織による広報も有効な広報媒体であった。プログラムの形態別にみると、大規模講演会は老人クラブの紹介と知人の紹介、小規模講演会は町会・自治会回覧板、自由参加型は会場のチラシが、プログラムへの参加を促進する広報媒体として有効であることがわかった。性別でみると、男性は印刷物、女性は人的コミュニケーションによる広報媒体が有効であることが示唆された。重点広報地域と広域広報の比較については、重点広報地域で地域組織、広域広報で印刷物と人的コミュニケーションが有効な広報媒体であることが示唆された。本研究の結果から、普及活動には対象者(市場)の細分化と、プロモーションには市場に適した広報媒体の分析が必要であると思われた。