表題番号:2008B-245 日付:2013/05/06
研究課題感性を鍛え、認知症を予防する「生活空間刺激ロボット」の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 准教授 可部 明克
研究成果概要
 複数の生体センサを導入した生体計測を行い、ユーザの状況に合せてスヌーズレンデバイス(感性刺激)を選択するアルゴリズムを
製作し、またロボットもユーザに感性刺激を与えるものとしてとらえ、ユーザとのインターラクション機能(会話などの感性刺激)を開発した。
 従来は必要なサービス機能をロボットに搭載し、ロボット本体の機能開発で実現しようとするケースが多いが,本研究では下記の
ように実施した。
①福祉分野で「ユーザに対するサービスノウハウの集大成」として開発・提供されているデバイスを、尊重して活用する。福祉分野
 でのデバイスは、基本的にサービスが主体の機能であり、ロボットなどの産業製品をベースとした機器とは設計思想が異なる。        
②福祉分野でのデバイスを活かしつつ、「デバイスを統合したコントロールシステム構築」、「ユーザとシステムの仲介役」として
 ロボットを使用した。

 まず,“スヌーズレンデバイス”とロボットを統合したバイオフィードバックをオンラインで行うべく、   生体センサ
プローブ部分を高齢者などのユーザインタフェースとなる「赤ちゃん型ロボット(ユーザ  インタフェース、生体センサ内蔵)」
に搭載した。

 1)認知症の方は、対象として認識するために、人の顔が必要と言われ(現場の介護関係者)、
 また、過去の福祉施設ヒアリング、およびロボット関係の展示会出展でのユーザの反応から
 「赤ちゃん型」とした。
 2)バイオシグナル社の脈波・心電計を組み込み搭載
 3)小型でネットワーク化に対応したエムー・シー・メディカル社のSpO2センサを搭載
 4)モーションセンサを搭載し、ユーザの自然な動き(「赤ちゃんロボット」をあやす動作,
 “高い高い”,“横にゆらゆら”)などを、コマンドとして取り出し,普段のユーザの動作に
 従ってロボットが自然に対応して動くように実装した。
 5)呼気スイッチ、微小圧力スイッチなどを搭載し、ユーザの「赤ちゃんロボット」への働きかけ
  を検出し、コマンドとして取り出した。