表題番号:2008B-223 日付:2010/03/08
研究課題アメリカ合衆国反共産主義政策下の東アジア・テレビ放送の形成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 教授 有馬 哲夫
研究成果概要
 第二次世界戦後のアメリカの情報・外交政策の研究において、まったく注目されてこなかった日本へのテレビ導入とアメリカの情報・外交政策の関係、とりわけスミス・ムント法成立以降のVOA政策とMSA(アメリカ相互防衛援助)政策との関係をこの数年で明らかにしてきた。
 本研究では、アメリカ第二公文書館の国務省文書と陸軍省の文書によって、新たにスミス・ムント法のもう一方の法案提出者であるアレグザンダー・スミス上院議員に光を当て、上院極東小委員会委員長として彼の議員活動、とりわけほぼ毎年のように行われた極東視察と、彼と同窓(プリンストン大学)で日米講和条約を成立させた国務省特別外交顧問(のちにアイゼンハワー政権で国務長官)ジョン・フォスター・ダレスとの関係の一端を明らかにできた。それにより、アメリカの東アジア政策というコンテキストにおいて、日本、韓国、台湾、フィリピン4カ国に技術・軍事援助としてのマイクロ派通信網とテレビ導入の計画がどのように生まれたのかを明らかにする発端を開くことができた。